本庄市から金沢、山代温泉1泊旅行


 来年2月に義母が満77歳になるので喜寿のお祝いをと思い立ち、寒くなる前に温泉1泊旅行に行くこ

とになった。目的地は加賀山代温泉。途中金沢駅で下車し兼六園を散策してから山代温泉へ、翌日は

また金沢へ、近江町市場で土産物を買い帰路に着くことにした。
 

 平成18年10月30日(月)朝7時59分の新幹線で『本庄早稲田』駅を出発。天気は晴れ、明日まで

良い天気が続きそう


今回購入した切符は「北陸フリーきっぷ」。富山駅から加賀温泉駅の間は乗降り自由、本庄早稲田より

乗車しても大宮駅出発と同料金だがかなり割安なので少し奮発してグリーン車用を購入した。平日朝

の下り列車のためか、グリーン車の車内は他に1組が高崎駅から乗車して来ただけでガラガラ。なの

になぜか乗車している2組の席が前後ろだった。。
 
 9時前に『越後湯沢』駅到着。在来線への連絡口を通って特急はくたか号のホームへ。乗継に必要な

時間は通常8分位なので乗車する9時13分発の「はくたか4号」の出発までには大分時間があり、折

返し列車はまだ清掃中。越後湯沢の山並みを見ながらまだ紅葉には少し早いようなどと話していると、

「ありがとうございました」という大きな声で一礼して清掃作業の青年が列車を降りた。

乗車開始、はくたか号のグリーン車は1号車で金沢行きでは先頭車両。まだ東京からの連絡列車が到

着していない事もあり他に乗車する人もなく、網棚に置いてある膝掛け毛布を3枚借り写真撮影をした

りしていると出発時刻が近づき、座席も3分の1ほど埋まった。はくたか号は越後湯沢~六日町間と犀

潟~直江津間をJR東日本、六日町~犀潟間を北越急行、直江津~金沢間をJR西日本が運行してい

るが、車両は北越急行のスノーラビットとJR西日本のホワイトウイングの2種類で、はくたか4号はホワ

イトウイングだった。

グリーン車の座席は横三列でシートはダークブラウンの落着いた色合い、間接照明でゆったりとした気

分にしてくれる。座席上には読書用の照明が付いていた。
 

 越後湯沢から十日町の間は少し色づき始めた山並みが続き、六日町駅の少し先に飛び抜けた高い

ビルがあり、それがあの「雪国まいたけ」の工場だと気づいたり、車窓の景色を楽しんだ。この先犀潟

まで20~30分はほとんどがトンネル内。標高差があるのか耳の鼓膜が変な感じ。トンネルとトンネル

の間の小さな駅をいくつか過ぎてから急に視界が開け、しばらく走るとお菓子の「ブルボン」の工場があ

り犀潟だった。そして直江津。ここから車掌がJR西日本に代わり、窓の外に日本海が見えてきた。糸

魚川、入善、このあたりは海岸線が狭く海からすぐ山になりトンネルが多い。黒部を過ぎたところで3回

目に廻ってきた車内販売で駅弁を購入。富山駅のますの寿し、直江津駅の鱈めし、売り子さんお勧め

の幕の内弁当を買い、金沢に着くまでに昼食を済ませることにした。福井駅の越前かにめしとか糸魚

川駅の夫婦かまめしなんかもあると良かったのだが、以上で在庫完売だった。私はますの寿しの担当

となり、箸を取り出し円盤状のますの寿しを切って食べようとしたら結構切りにくく、味はいいけど食べ

にくいと文句を言いながら食べ終わり、箸の袋を良く見たらプラスチックのフォークと食べ方の説明書き

があり納得。

途中の高岡市は鐘造りが産業だそうで、高岡駅は発車ベルに「おりん」のすずやかな音を鳴らしてい

た。しばらくして工事中の新幹線の高架が見えてきた。金沢駅は将来新幹線が乗入れるための受入れ

態勢が出来ているそうだ

 正午に金沢駅到着。金沢駅1階東口の入口付近にある「金沢観光情報センター」で観光パンフレット

を入手してから外へ出た。

そこには「おもてなしドーム」とよばれる巨大な雨よけの軒先があり、その下がバスターミナルになって 

いる。ターミナル内の北陸鉄道案内所で「金沢城下町周遊レトロバス」の8枚綴り回数券(1000円)を

購入し、1番乗り場より停車中の「秋声」号に乗車。レトロバスは他に「犀星」号と「鏡花」号があり15分

間隔で運転されていて、ドライバーは若い女性だった。


金沢市内の東側を回り、浅野川を渡り「兼六園下」まで約10分。



停留所の横から石段があり、少し急だが息が切れた頃には兼六園の桂坂口前にでる。向い側には金

沢城公園の石川門がそびえていた。


兼六園の入園料大人300円、65歳以上無料を支払い園内へ。空は快晴、気温も暑からず寒からず、

入園客もそれほど多くなくゆっくり散策出来そう。眺望台でうだつ山を見ながら一休み。金沢市の人口4

0数万人、遠くに見えるのが能登半島の山などという団体客のガイドさんの説明を聞いて、団体客に少

し遅れて霞ヶ池へ。有名な徽軫灯籠(ことじとうろう)で記念撮影。

いつも撮影者は写真に写っていないことが多いので、今回は三脚を持参しなるべく全員の写真をとるよ

うにした。

七福神山。どちらを向いても切り取られた一枚の絵のようですばらしい景色だ。
 
 根上松を見て花見橋を渡り、成巽閣から後戻りして梅林、時雨亭へ。



いつもはお茶などが頂けるそうだが、当日は全館貸切で何か撮影が行われていた。
 
瓢池へまわり霞ヶ池からの水が流れ落ちる那智の滝を模したといわれる翠滝を見物。


池の畔にあり大正13年芥川龍之介が泉鏡花の招待で別荘に滞在したという三芳庵では、抹茶が出さ

れていた。


三芳庵の別荘前を抜け蓮池門口から園外へ出た。そこからが情緒のある茶店が数件続く茶店通り

で、呼び込みの声を聞きながら歩いて桂坂口へ戻った。紺屋坂を土産物店を見ながら下り、石川県物

産館で土産物の下見をしてバス停「兼六園下」へ。ここまで来るときも乗ってきたレトロバスは一方方向

だけの巡回バスで、来たときと違うルートをたどり金沢駅へ向かう。「犀星」号がやってきた。



犀川沿いを走り片町、香林坊、武蔵辻を通って金沢駅に到着。15時少し前になっていた。駅の百番街

で急ぎ地酒「天狗舞」純米酒を土産用として購入し、加賀温泉駅へと向かう。15時14分発雷鳥34号

大阪行きに乗車、15時42分加賀温泉駅に到着し乗車時間は28分。北陸フリーきっぷはフリーエリア

内は自由席の乗車となる。



加賀温泉駅を出ると宿の名前を書いたプレートを持って出迎えてくれた。宿のマイクロバスに乗り今晩

の宿へ。マイクロバスの客は我々だけで、駅へ出迎えている宿も3軒。閑散としているが出迎えの人の

話では宿へは観光バスで多くの宿泊客があるとのことで、週末は行楽シーズンでもあり満室とのこと

だった。駅から10分程で宿に到着。

 

宿は「ゆのくに天祥」客室170室位、大浴場が3つあり、それぞれに大小6づつの浴槽や露天風呂が

ある「1泊3湯18ゆめぐり」が宣伝文句の宿である。玄関前に出迎えの仲居さんが並びその間を通りフ

ロントへ、部屋は天祥の館8階とのこと。予約のときに義母の喜寿と我々の銀婚式の祝いで宿泊すると

伝えておいたところ、輪島塗の夫婦箸をお祝いにと頂いた。食事もお祝い膳風にしてくれたそうで、なん

でも伝えておくものだ。部屋は12.5畳の和室と4.5畳の掘り炬燵付の次の間とソファーが置いてある

4畳位の洋スペースがあり、8階なので見晴らしがよく遠くに白山連峰が見える。次の間があるので二

組に分かれて寝ることが出来、寝るときに多少でも気兼ねがいらないようにこのタイプをお願いした。




きさくな仲居さんの館内案内を聞き、早速温泉へ。夜は「九谷の湯処」が男性、「悠幻の湯殿」と「滝見

の湯屋」が女性で、翌朝は入替えになる。露天風呂は目隠しがあり外は見えず広くはないが、五右衛

門風呂、薬草湯等いろんなタイプの浴槽があり、はしご湯?をしてそれなりに楽しめた。食事は種類も

量も多く金沢名物の治部煮もあり大変満足、ハーブ焼きという香りの強い焼き物は苦手だったが。土

産用に買った地酒を試飲。料理に良く合い最高、明日また購入しなければ。
 

翌朝、朝の風呂は4時半から入れるが目が覚めたのがちょうどその時刻。「悠幻の湯」で一風呂浴び

てまだ早いのでまた布団に入りごろごろしていると、外が白み始めた。昨晩は月がきれいにみえていた

ので日の出が見られるのではとカーテンがわりの簾を上げると、正面の白山連峰のあたりが明るくなっ

ている。
写真で光っているのはフラッシュがガラスに反射したもの。窓をあけての撮影は寒くてとても出来ない)


手と合わせたくなる思いで見つめるうちに、山の上に全体が姿を現した。



あとで仲居さんに聞いたら日の出が見られることはあまりないとのこと、寒さを我慢した甲斐があった。

冷えた体を暖めに「滝見の湯屋」へ、もう他に人影もなく露天風呂3ヶ所と大浴場でゆっくり温泉気分を

堪能した。部屋に帰ると朝食の用意が出来ており、麦とろ飯がとてもおいしく朝にしては珍しくおかわり

してしまった。



0時の出発予定だったが支度が早く出来たので9時に出発することになり、宿のマイクロバスで若女

将と仲居さんに見送られて加賀温泉駅へ向かった。 

 
 予定より1時間早いので、加賀温泉駅で時刻表を見ると金沢方面の特急電車はしばらくないため、9

時24分発の各駅停車で金沢駅へ向かうことにした。電車の中で初めて金沢の人の日常生活に触れ、

色白で芯の強そうな美しい顔つきなのが金沢の人という印象をもった。電車は思ったより早く45分ほど

で金沢駅に到着。駅東口のバスターミナル11番から「金沢ふらっとバス」此花ルートに乗り近江町市場

へ向かう。

 
「近江町市場」で下車。すぐ目の前にある加賀麩の専門店「不室屋」で、酒のつまみに生で食べられる

生麩(いろいろの味があるが、金沢美人の店員さんお勧めのよもぎ味と昆布味を購入)と、最中の形をし

ていてお湯をかけると中から具が出てきて味噌汁や澄まし汁になる「宝の麩」それに金沢でしか販売して

いない大きな味噌汁「ふやき 五色汁」を購入。


 不室屋から通りを挟んで向い側が「近江町市場」で入り口はいくつもあるが、ここから近いダイエー口

から市場の中へ。

まだ11時前なのに市場の中は多くの買い物客でにぎわっていた。

 鮮魚店が一番多いようだが青果店、洋品店、食堂など日曜品は何でも揃う。蟹、甘エビ、地魚、源助

大根や加賀蓮根などのめずらしい加賀野菜などが並び土産ものを買う観光客も多いが、地元の人も日

常の買い物をしており市場で買った物を入れたビニール袋をさげて「ふらっとバス」(100円)に乗込む

ときバスのドライバーが「お帰り」と声をかけていた。日常の足として15分ごとに走っている便利なバスを

使って大きな市場へ行き、新鮮で安い買い物が出来る都会、金沢に住んでみたくなる。 土産物を探し

て市場内をしばらく見て歩いた。金沢のズワイガニは11月6日より漁が解禁でまだ店に並んでいない。

並んでいる蟹は他の産地のものか冷凍もの。解禁後は市場内が蟹で真っ赤になるとか。蟹はあきらめて

刺身用甘エビと魚の一夜干、それにはらわたを入れたまま丸干ししたイカ(ごろいか)を購入。実家の両

親にも送ることにし買った店で梱包、クール便送料共1500円で発送を依頼した。荷物は翌日所沢の両

親のもとへ届いたと連絡があったが「甘エビはピロリ菌がこわいからすぐに煮たからね」と聞き大笑い。母

は今年の春にピロリ菌による胃潰瘍で何十年ぶりに入院したので、甘エビにピロリ菌がいるとは思えな

いがよほど懲りたのだろう。 昼前になり市場内の食堂「井の弥」で昼食。昼時になると行列が出来ると

聞いていたので早めに行ったが店内はほぼ満席。待たずにはいれたが出るときには数人が外で待って

いた。注文したのは特盛近江町海鮮丼(1700円)と近江町海鮮丼、うにイカ丼。量的には順番に特

盛、普通盛、女性向といったところ。

 

 新鮮さとボリュームに大満足でなんとか完食、満腹で歩くのもつらい。先ほどまで市場の店先に並ぶ品

物を一生懸命に見ていたのが嘘のように、なにを見ても興味がわかない。 武蔵辻口から市場を出て向

かいの名鉄エムザへ、地下は土産物売り場だが普通の百貨店だったので外へ。前の武蔵辻バス停から

周遊レトロバスに乗り、数分で金沢駅に到着。今回乗ったレトロバスは「鏡花」号、二日間でレトロバス3

種類全部に乗ることが出来、回数券も残らず使用した。 金沢駅の土産物街「百番街」で九谷焼の銘々

皿を購入。旅行中にあちこちで多くの九谷焼をみた。昨日宿泊した山代温泉は九谷焼発祥の地で旅館

も著名人の作品が飾ってあった。素人がみても良いものは良いので欲しいとは思ったが、数万円から数

十円。やっぱり購入したのは数千円のプリント品だった。佃で山椒味の雑魚の佃煮を購入。忘れずに

「菊姫」も購入。 帰りの列車の時間には少し早かったが出発ホームで待つことにした。乗車する「はくた

か15号」は6両がJR西日本のホワイトウイングで附属の3両は北越急行のスノーラビットだった。連結作

業がホームで行われていた。



 14時14分金沢駅を出発。出発を待ちながら飲んだビールがきいたのか、おしぼりのサービスが来る

前に熟睡。目が覚めると直江津あたりだった。そこから日本海に別れを告げ、山間部に入りトンネルが

続きトンネルを出た頃には夕暮れがせまっていた。16時52分越後湯沢駅到着。結構多くの乗客が新

幹線乗換口へ急ぐ。東京まで行く人はほとんど17時02分発の「とき」336号に乗ったが、我々の下車駅

「本庄早稲田」は通過してしまうので次の17時05分発 「Maxたにがわ」420号に乗車した。2階建て新

幹線10号車は1,2階とも他に乗客はなく1両貸切状態。

 
 17時49分 本庄早稲田駅に到着。家まであと10分。今晩は生麩と「ごろいか」をつまみに「菊姫」で 

一杯やろう。その前にこの二日間、一人(一匹)で留守番させた犬の散歩に行かなければ。もう何年も1

泊以上の旅行はしていないのだから、寂しかったろうが勘弁しろよ。

(Yahooブログに写真があります。http://blogs.yahoo.co.jp/hikarusan1949/5079805.html)

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